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コリンキー

　コリンキーは未熟の状態で食べるカボチャの一種です。スライスして塩もみすると生食でサラダで食べられるというカボチャらしからぬカボチャです。お漬物にしてもなかなか美味しく、炒め物にしてもよくマッチしそうな食感です。

　栽培自体は特別難しくはなく、家庭菜園でも栽培できます。ただ、未熟果を食べるので収穫のタイミングを見極めるのがポイントですね。季節的には、夏の時期に収穫期を迎えます。アイデア次第で食べ方はまだまだひろがっていくと思います。これから注目度が上がってくる野菜の一つかもしれません。

白舞茸

　舞茸はきのこの中でも、味・香り・歯ごたえの三拍子そろって、今や実にポピュラーな存在になりました。現在のように栽培技術の進化していなかった頃は天然のものを探すしかなく、幻のきこのこともいわれていました。そんな中でも白舞茸は自然界では１０万個に１個しかできないといわれ、実に希少性の高いキノコでした。

　通常の舞茸は料理の過程でアクが出やすく、料理の時に他の食材に色移りがしてしまうということがありました。ところが白舞茸はアクが出ないので、料理の色あがりを考えても、白舞茸自体の美しい白を活かしながら他の食材にも影響を与えないので優れた食材といえるでしょう。お吸い物の具にはまさにもってこいではないでしょうか。

サンチェ

　サンチェはパオや焼肉レタスとも呼ばれます。焼肉を食べに行って焼き上がった肉を辛味噌と共にサンチェで巻いて食べると本当に美味しいですね。もちろん、サンチェはサラダで食べてもクセがなく美味しいですが、どうしても焼肉を巻いて食べるものってイメージが定着してしまってますね。家庭菜園でも栽培しやすいので是非チャレンジしてみてくださいね。

　レタスにはこのサンチェやサニーレタスのように結球しないリーフ型レタスと、一般的なレタスやサラダ菜（サラダ案もレタスの仲間です）のように丸く球状になる結球型があります。レタスの起源までさかのぼると紀元前の６世紀になります。この頃のレタスは結球しないものだったそうです。レタスは長い歴史を持つ野菜なんですね。

青瓜

　野菜の中でもメジャーなものとマイナーなものは当然ですけどあります。野菜全体の売上高の約80％は上位の主力14品目の野菜で占められているんですよ。とは言っても僕の会社で取り扱っている野菜のアイテム数は300種類を超えて、まさにショートヘッドとロングテールです。

　青瓜はその名前は比較的認知度は高いけど消費は少なく、八百屋さんに買いに行っても早々品揃えはされていないと思います。その用途がほとんど漬物用で、そうなると一般消費用ではなく業務用で使われるということになりスーパーや街の八百屋さんで見かけることが少なくなるんですね。

　その名の通り、ウリ科の植物で植物学上メロンや西瓜なんかと近い存在になります。瓜も日本全国いろんな地域で、その地域独特のものがあります。僕の住む神戸の近くでは兵庫県の播磨地域特産の別珍瓜（ぺっちんうり）があります。漬物以外に何か用途はないものかと探してみると「青瓜の肉詰めコンソメ煮」っていうのが見つかりました。ご参考までに。

太助大丸

　太助大丸は形状は水なすによく似ていますが品種的には別のものです。水なすより水分は少ないんですが、果肉は柔らかくとても美味しい丸茄子です。煮物や焼茄子が適しています。

　夏野菜の代表的なものの一つですが、茄子の原産地は東インドで高温地で生まれた野菜です。夏の時期に露地栽培で育てやすいというのも、そうした茄子の生いたちによる部分も大きいんですよ。

ジュビリー

　ジュビリー(Jubilee)はまるで完熟した柿をイメージさせるような見事なゴールデンオレンジ色をしています。食味的には濃厚さには若干欠けるものの、バランスのよいクセのない味わいです。

　トマトの世界は今や桃太郎一辺倒といった状態になっています。桃太郎がマーケットの大部分を占める事となった要因には生産上の効率性の問題、流通面での要因、食味の嗜好の変化など様々です。ところが、食の好みの多様化は様々な種類のトマトを生み出すこととなります。食味での差別化、形状での差別化、外見での差別化などによって、マーケットに登場するトマトの種類も増えてきました。大型量販店のトマトの売場に行くとそれを実感できると思います。

　青果物の業界でも企画力を駆使してマーケットに新商品を出しても商品力が伴わないとマーケットからは一瞬にして淘汰されてしまいます。自然相手に生産される青果物なだけに難しい面もありますが、まだまだ多くの可能性は存在するのではと思いますね。

はなほじそ（花穂紫蘇）

　はなほじそはしその穂を、花が３割ほど開きかけた状態で収穫したものです。薄紫色の色合いが美しく、お刺身のつまや料理のあしらいに使用されます。食べてみても、その味わいは紫蘇そのものです。お刺身の盛りつけは、まさに美的感覚の勝負で、そのあしらい物の種類は他にも多くあります。

　また和食の場合は盛りつけるお皿によって料理の表情が大きく変わってきます。こうした和食を美しく演出するための和促成野菜の種類はすごく種類が多く、また四季の演出をするために、季節ごとに使われる物も大きく変わってきます。今の時期にはあじさいの花なんかも使ったりします。

レッドムーン

　じゃが芋にも品種は数多くあります。それぞれの品種ごとにデンプン価や粉質、粘質の程度の違いがあります。そのため、それぞれの品種の特性によって煮物に適するもの、フライにすると美味しいものなどがあります。

　このレッドムーンの特徴は何といってもこの皮の色が赤いというのが最大の特徴です。食味の追求という点からすると、このレッドムーンが馬鈴薯の中のベストチョイスというわけでもないようには感じます。このレッドムーンはデンプン価はそんなに高い方ではなく、粘質はやや高めなので煮くずれがしにくいため煮物には適してると思いますね。参考までにフライにするには男爵みたいなデンプン価の高い品種が美味しいですね（まあ、人それぞれの好みがあるので一概には言えませんが．．）

　で、切ってみると中はやや黄色がかってます。料理をした色あがりを考えるときに黄味がかった果肉はとてもきれいです。フードコーディネーター的にはこの辺の特徴を活かしてみれば良いんじゃないでしょうか。

デトロイト

　デトロイトはビーツのまびき菜で、最近はすっかりメジャー化したベビーリーフミックスの中によく入ってます。クセのない味わいで、ルッコラのように自己主張も強くありません。でも、軸の色の鮮やかな赤はサラダの出来上がりのカラーバランスを引き立ててくれます。

　サラダ野菜はその時々によって流行というものがあります。はるか昔で考えると、かつては主流だったカリフラワーがブロッコリーに取って代わられたことや、１０年前はそんなに使われることがなかったベビーリーフが、今やとても一般的になったことがあります。僕たちのような野菜に携わる仕事をしていると、そんな動きを日常的に感じることができますよ。

ゴーヤ

　7月に入って、夏もいよいよ本格的な時期に入ってきます。夏野菜というとその代表的なもののひとつがゴーヤです。ウリ科の植物で「苦瓜」と呼ばれていますが、「ゴーヤ」という呼称は沖縄でのものなんです。ビタミンＣがたっぷりで素晴らしく健康によろしい！ということで沖縄の伝統的な食材であったゴーヤは全国的な食材として周知されるようになりました。沖縄料理のお店も多くなり、食する機会も増えましたね。

　健康食品としてゴーヤ茶、ゴーヤチップなんかはよく見かけますが、やっぱりあの苦みはフレッシュで食べなきゃって思います。苦味成分は、「モモルデシン」というもので、調理方法によってはほとんど気にならないレベルになります。南国育ちの野菜なのでこれからの時期が生産量も増えて価格的にもリーズナブルになります。まだ食べたことのなければ、腹をくくって是非お試しを。