紅蓼はお刺身のツマとしていつも目にする物ですが、紅蓼(べにたで)、紅立(べにだて)とよんだりしますが、「べにたで」が正解です。タデ科の植物で、「たで食う虫も好き好き」という諺の由来で、食べると辛味があることから、辛い蓼の葉を好んで食べる虫がいるように、人の好みもそれぞれっていうことなんですね。
鮮やかな色合いで刺身を引き立てる視覚的な役割もあるんですが、生ものの臭みや、毒素を消す役割も果たしています。各地に伝わる民間薬としての効能としては、脚気の足腫れに塩もみした葉の汁をつけたり、たで雑炊を腹痛の薬として食べたり、煎じたたでの汁をあせもに塗って治したそうです。
しかもあのピリッとした辛味は茎や葉に含まれたタデオールという辛味成分が、味覚神経の末端を刺激して食欲を増し、消化を助けるのです。ついつい、お刺身に盛られてきても、手を付けずにいることも多いかもしれませんが、これからはちょっと視点を変えてみてお刺身と一緒に食べてみてくださいね。