朝や夜の寒さを本格的に感じるようになってきました。僕の家では真夏であろうがお構いなしに鍋物をやってしまいますが、体感温度の低下と共に鍋物の有り難みを実感します。その中でも欠かせないのが冬場のネギでしょう。ネギは生ネギの状態と加熱したときでは当然のことながら食感が変わります。トロトロになった甘いネギはとても表現できないほどの美味しさです。
生ネギの状態でブドウ糖と果糖の含量が多いネギは、加熱調理すると美味しさと甘さは引き立ちます。しかし、生ネギ搾汁液の糖度と加熱後の甘さには相関関係がないというデータがありました。一方、生ネギ搾汁液の糖度と加熱後の粘りには高い相関関係が観察されます。こうしたことから、鍋物に入っているネギの甘さは生ネギのブドウ糖と果糖から、粘りは生ネギの糖度を構成する糖類などからもたらされるものということになるんですね。ネギもサイエンスするとなかなか深いもんです。