季節感のある食材の提案というのは、僕たちの仕事では重要なところです。今の時期と言えばやっぱり春野菜。春野菜の代表的なものにこのふきのとうがあげられます。
ふきのとうは漢字で書くと蕗の薹。ふきの花のつぼみで、雪の中から姿を現すのをみるとまさに春の使者を思わせてくれます。先日紹介した菜の花同様、ほんのりとした苦みがあります。まさに人間の体に春を呼び、春の感覚を覚醒させる優しい苦みですね。
僕はふきのとうの天ぷらがとても好きで、オーソドックスな食べ方ですが、香りも同時に楽しめます。揚げる特は低めの温度で揚げてつぼみを開かせるようにするのがポイントです。
わさびの栽培には綺麗な水が必要です。わさびを栽培するところには必ずといっていい程、傍らには清流があります。わさびは環境に敏感な植物で、自分に合う水がなければ生きられません。水質が弱酸性から弱アルカリ性、水温が年間を通じて12〜13℃、イワナやヤマメが棲むぐらい澄んだ水が最適とされます。葉わさびは、その本わさびの葉を摘み取ったものです。
葉わさびもわさびと同様の風味を持ち、醤油漬けやお浸しにしても美味しいし、天ぷらにしても美味しいですね。以前、何気にお浸しを食べてほんのり感じるわさびの風味に、そのお浸しの正体が葉わさびと気づいたことがありました。
ただ、その風味もすごく失われやすいもので手早く調理する必要があります。料理にはちょっとした心づかいが必要ですけど、素材はその心づかいに正直に応えてくれるんですね。
何だか、缶チューハイのネーミングのような名前ですが、トマトなんです。黄色いトマトといえば黄色いミニトマトを連想しますが、このレモンボーイは大玉トマトのイエロー版です。鮮やかな美しい黄色は視覚に訴えかけるには効果的ですね。やり手シェフの創作心をくすぐるのではないでしょうか。
食しての感想は特別、味に感動するようなもんじゃあないですが、まあそこそこかなってところです。去年このブログでブラックトマトを紹介しましたが、見た目的にはぜったいこちら、食味的にはどっこいどっこいですね。
季節的なこともありますが、冬場には様々な種類のトマトが入荷してきます。フルーツトマトもいろんな産地からの入荷が増えてきます。食味的にはこれからの時期がお勧めですね。
新春ということもあり、今日は春を感じさせてくれる菜の花をピックアップします。アブラナ科に属し、花蕾や花茎を食べます。菜種や菜花とよばれたりすることもあります。野菜として食べている菜の花は、菜種油を取るものと基本的には同じ品種です。
ほんのり感じる苦みが特徴的で、その用途は幅広く、お浸し、天ぷら、炒め物、汁物の具、お漬物も美味しいです。パスタなんかの具材にしても季節感を演出できるし、色あがりがとても綺麗です。
今の時期はまだまだ出始めで、本格化してくるのは今月下旬くらいからでしょうか。節分時期には需要も大きくなってきます。大雪に見舞われる日本列島ですが、一歩一歩、春は着実に近づいてきます。
レッドキャベツはキャベツの持つ栄養素に加えて、レッドキャベツの色素でもあるアントシアニンを含んでいます。加熱をすると色素が出てしまいます。僕は以前、焼きそばを作るときにレッドキャベツを代用してからり不気味な色の焼きそばに仕上げてしまった経験があります。あんまりおすすめできません．．．
近年消費が減少しているように感じる野菜の一つとしてこのレッドキャベツがあります。基本的な用途はやはりサラダの色添えです。刻みキャベツに混ぜ込んで使うのですが、外食のメニューの単品サラダでキャベツの千切りを使うケースはほとんどありません。洋食の付け合わせではもちろん不動の地位ですが。単品サラダで単価を上げるには当たり前の食材ではなかなか通用しにくくなってきているんですね。レッドキャベツが減少するのと並行して、トレビスは消費がどんどん大きくなってきています。どうしても主食で食べる物ではないので、その時代の流行り廃りがあるんですね。
今日は雑煮大根のセリがあり、市場のセリ場には何種類もの雑煮大根が入荷していました。雑煮大根のセリは毎年１２月２７日の一度きりです。青果物を扱う仕事なので年末の際まで仕事をしてるので日にちの感覚もなくなってくるんですが、雑煮大根の入荷があると、押し迫る年末を感じます。
雑煮大根はこの時期にだけ需要が集中するので、生産する側も本当に大変です。工場生産するものなら、必要な時期にできあがるように計画して生産ラインを動かせばいいんですが、自然が相手の農産物は気候の変化があるので本当に大変です。しかも正月が過ぎた時期の雑煮大根は需要がなくなり商品価値が下がってしまいます。
年末の買い出しも以前は２６日くらいから少しずつ買い揃えていくというスタイルでしたが、最近は２８日、２９日に集中する傾向があります。しかもお正月もスーパーが開店していることもあったり、おせち料理も家で作る家庭が減少して、できあがったものを購入する家庭が増加しているので、年末の消費動向も様変わりをしてきましたね。
クリスマスが終わりお正月を迎える体制に入ってきました。金時人参の消費は関東と関西を比べると圧倒的に関西が多く、生産地も西日本地域に集中しています。この金時人参は日本一の生産高を誇る香川県産の金時人参です。
人参といえば一般的には西洋人参をイメージしますね。昔は金時人参のような日本人参も多く存在し品種も多くの種類がありましたが、今では消費のほとんどが西洋人参にシフトしてしまいましたね。美味しい粕汁を自分で作ってやろうと思ったとき、買い物に行くと人参は西洋人参ではなくやっぱり金時人参だろ！って思います。
金時人参のお話はこの人に聞け！ ということで．．．．．．京野菜のスペシャリスト、しょうしさんのブログの記事を紹介させていただきます。
今日紹介した金時人参は京都産でないのが残念ですが．．．
セリは春の七草の一つでセリ科に属します。その名前の由来は、食用とされる若苗がたくさん出る様子が競争しあっているようにみえることから名付けられました。もうしばらくで新年を迎え、程なく正月七日となり、無病息災を祈って、春の七草を入れた七草粥を食べます。
セリはその独特の香りが早春を感じさせてくれます。僕はおひたしにして食べるのが好きですが、アクが強いので塩をひとつまみ入れた鍋でゆがいてから、冷水にとって色の劣化を防ぎます。野生にも見かけることも多いのですが有毒のドクゼリと誤認してしまいやすいので要注意です。
