昨日の統計分析論の授業でt分布を勉強しました。母集団を推定するのに可能な限りの多数の標本をとって正規分布を導き出そうという考えが大勢を占めていた中で、当時ギネスビールの技術者であったウイリアム・ゴセットは標本数を多くすることができない状況下で正しい分析はできないかと考えました。
ビール醸造を行う際のホップなどのビールの原材料の品質や温度変化の関係を調べるには多数の標本を用意できません。一つの標本を用意するだけでも一日かかってしまうようなケースでは小標本に限定されてしまいます。こうした小標本から母集団の姿を導き出そうとするのが“スチューデント”のt分布です。
ゴセットは当時ギネス社の社員で学術活動を本名ではなくペンネームで行っていました。その時のペンネームが “Student” だったんです。そのペンネームの一番最後の文字から“スチューデント”のt分布、もしくは単にt分布と呼ばれるようになりました。
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