昨日、日本ベジタブル&フルーツマイスター協会の福井理事長を囲む座談会で日本の農業の現状の問題点を、生産者、JA、量販店のそれぞれの立場からお話を頂きました。生産現場では今の日本の農業の抱える問題点が浮き彫りになっていて、その解決には容易には乗り越えられないものがあることを実感しました。
僕自身の考え方は、日本の農業の現実は今のマーケットニーズが生み出した結果だからある部分仕方がないと思うし、こうあるべきだって話をもっていく事にも不自然さを感じてしまいます。ただ、マーケットの今の動きにはおかしな流れのようなものを感じてしまいます。
今の日本の農業は、得られるキャッシュフローは不安定極まりなく、将来的なビジョンもなく、競争論理も機能しづらく、とても閉塞的なものだと思うし、企業の経営という視点からすると、とっくに経営破たんしている状態だと思います。逆にこんな経営でやっていけてることに問題を感じてしまうのです。農業も一つの産業であって、もっと経営的視点をしっかりと持つことが大切だと思うんです。マーケットニーズからズレていくと益々苦境に陥っていかざるを得ないことになってしまいます。
組織(産地も量販店も)が大きく成り過ぎて、組織が制度疲労を起こしています。全農を含めた系統組織も誰のための組織かもう一度、考え直す必要があります。オペレーションが出来なくなっています。田舎の郊外にドデカイ大型店を作って誰が食料品を買いに行くのですか。車を飛ばせるのは子育て中の世代だけでしょう。少子・高齢化社会を想定していません。
ウォルマート、カルフール、ダイエーを見ても業績不振です。モチベーション、ロイヤリティーなど内部の働く人々に欠如しています。大企業病に陥っています。消費者から敬遠され出しています。
その中間に市場があります。この市場に独自路線がありません。相変わらず無責任流通に依存しています。ここが問題です。これでは将来の展望が切り拓けないのではないでしょうか。
投稿情報: 杉村敏夫 | 2006年8 月26日 (土) 12:11
杉村様
コメント有り難うございます。
まさにおっしゃるとおりの現況だと思います。
卸売市場法の下で生み出された今日までの状況を、規制緩和の流れの中で業界全体に大きな変化が起きようとしています。こんな中で企業人として如何にして自社の考え方をしっかりと持つことができるかがポイントになってくるのだと感じます。
投稿情報: VEGE-MASTER | 2006年8 月28日 (月) 16:10