イノベーションとはかつてシュンペーターが定義したもので「新しい技術の発明だけではなく、新しいアイディアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革である。つまり、それまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすこと」です。
こうしたイノベーションには新しい製品によって価値を創造しようとするプロダクト・イノベーション、他社よりも良い方法で価値を生み出そうとするプロセス・イノベーションがあります。僕たちが取り組む青果物の流通という仕事ではその両方が求められます。いままで生産地周辺で消費されて、市場に流通していなかったものを製品化し、大きなマーケットに対応できる新商品としてリリースすること、消費サイドの声を具体化して新しいもの作りに取り組むこと、こうしたことはプロダクト・イノベーションにあたるんでしょうね。
一方、僕たちの青果物流通の仕事の中で取り組みやすいのがプロセス・イノベーションではないかと思うんですよ。これはプロセス・イノベーションが簡単って言う意味ではなく、日常の仕事の中で如何に過去の経験則に基づいて仕事をしていることが多いのかという反省も含めてのことなんですよ。仕事の進め方、判断基準、数多くの現場の仕事の中でプロセス・イノベーションの可能性はたくさんあります。こんな事を書いてる僕自身の中にも過去の経験則の呪縛にとらわれている部分が山ほどあります。こんな取り組みこそが企業としての戦略的な面を磨き上げるんだと思います。