キャベツ廃棄に関しては青果物を扱う仕事に従事している僕もとても残念に思います。産地での現状は報道されている以上のものです。もっと多く廃棄されています。
今年は台風の上陸も少なく、好天続きで豊作型。逆に去年は台風のために近年まれに見る高値推移。去年の高値に生産者の生産意欲が高まって作付けを増やしたところに今年の好天で廃棄するほどの豊作となってしまいました。そんな背景があるんですね。
キャベツの輸入が増えてるのは主に業務関連で大量消費をする需要に対応しているのが中心です。業務ニーズは仕入れ価格の安定を求めるから輸入品にシフトすることが多いようです。国産品は今年の豊作時のタダ同然のこともあれば、10kgあたり(一箱)2000円や3000円になったりすることもあるんですね。業務ニーズで製造コストがこんなに変動することはまずいですよね。
生産者が何を求めるか? 当然ながら高値評価だと思うんですが、高値を志向すると、今年のように豊作時に価格がでないというリスクが隣り合わせになります。リスクヘッジを考える生産者は適確な生産コストを反映した価格での契約生産をしているところがあります。去年のような高値の時には市場価格以下の価格での出荷をしなければいけませんが、今年はつぶれてしまった市場価格とは無関係に契約価格での出荷を行っています。
僕が考える青果物の適正価格は適正な生産コストに基づいたものであるべきだと思います。生産者が価格形成にバクチ性を求めていると、こんな不幸な構図はきっと再現されてしまうと思います。消費者視点で考えても安定価格での青果物供給は必要だと思います。
儲からない農業に将来はありません。農業が産業として成立しなければ日本の食糧自給率はまだまだ下がっていきます。農業経営って考えにもっと注目が集まってもよいのではって感じます。
初めまして。TBありがとうございました。^^
記事読ませていただきました。正直、私が書くことに戸惑ったことまで書いあり、胸の支えがとれたようです。^^
「業務ニーズ」は「消費者ニーズ」ともいえます、ただ、「輸入」が「消費者ニーズ」かといえば疑問に思います。問題は、農産物輸入の現状や原産地の情報を消費者が知らない(知りたがらない、知る術もない、知りたくない)ことだと思います。
生産者側にも問題はあります。生産コストも考えた農産物の適正価格を日本全国の生産者のどれくらいが把握しているのか。。高ければ嬉しい・・・、安ければ苦しい・・・、だけではいけません。
自分で作った作物の適正価格・・・自信をもってつけられる値段を生産者が知ることだと思います。
安定価格=一定価格であってはいけないとも思います。農産物は天候・環境によって大きく左右されます。キャベツ1玉が凶作時も豊作時も128円ではないことを、消費者にはわかってもらいたいと思います。。
コメントに長々と主張しまして、申し訳ありません。
なんとなく、私と似た臭いを感じましたので、熱くなりました。。ちょくちょく寄らせていただきます。
投稿情報: しょうし | 2005年8 月29日 (月) 11:45
はじめまして。
ブログジャンキーでサーフィンしてたところ、
ふとこの記事に目が留まりましたので、
足跡残させていただきます。
私は飲食業でバイトをしているので、
食材の値段は色々と気になるところなのですが、
なぜそのように高くなるのかとか安くなるのかというところまでは、
あまり深く考えていませんでした。
ただ去年の高値と今年の安値(そして廃棄処分)ということを目の当たりにし、
なんともすっきりしない気分でいたところ、
この記事を拝見した次第です。
飲食業に従事していながら、
食品の流通や市場価格についてまだまだ無知な自分を恥ずかしく思いました。
これを機会に少しずつでも食品全体のことを考えていきたいと思いました。
こちらのブログでは他にも色々と食品についての情報が拝見でき、
とても勉強になります。
ちょくちょくおじゃまさせていただきたいなと思いました。
それでは、まとまらないコメントを長々と失礼いたしました。
更新を楽しみにしております。
投稿情報: 芳井集 | 2005年8 月30日 (火) 01:08
しょうしさん
しょうしさんのブログをグルリと拝見しました、めっちゃ熱いですね。日本の農業の停滞状況の最大の要因は、生産者サイドの考え方でもって生産が続けられ、一概には言えませんが、消費者サイドには余り目が向けられていないと思います。
工業製品と農作物は同じレベルで語ることはできませんが、少なくとも歴史の中でマーケットニーズに反映すべく様々なイノベーションを経て工業製品は進化を遂げてきました。しかしながら農業の分野においては、生産側が歩み寄る場面は少ないと感じます。
生産側も、もう少し変わっていかなきゃいけないところまで来てると思います。自然相手に生産される農産物は、天候によって生産コストが変動するのは当然のことだと思います。
僕たちの業界に関わる部分でもっとオープンにしなければいけないのは、しょうしさんのおっしゃる農産物輸入の現状や原産地の情報のところだと思います。商品にはメリット表示と同時にデメリット表示もある方が消費者は、より公正な判断ができますからね。
長々と失礼しました...
投稿情報: VEGE-MASTER | 2005年8 月30日 (火) 09:43
芳井集さん
コメント有り難うございます。
外食や中食のところでは、青果物は材料であって、製品を完成させるためにはコスト計算が必要になってきます。キャベツが高騰したからといって、簡単にメニューの値段は変えられないし、逆に今年のように安くても「キャベツ安値のため、お好み焼き半額!」っていうのもあまり現実的ではありません。
食材を提供する僕たちの立場からは、その原材料費の変動幅を如何にして少なくするお手伝いができるかというところなんですよ。
これからもどうか宜しくお願いします。
投稿情報: VEGE-MASTER | 2005年8 月30日 (火) 09:50
こんばんは、コメント・TBありがとうございました。
>儲からない農業に将来はありません。
本当にそう思います。消費者が自身の問題だと考えないと、解決しない部分もあるので、それを提起していく必要もありますね、私たち生産者。(今 変換で凄惨、と出た・・・笑えないっ!)
需要と供給のバランスで価格が決まっていくというのは、健全な姿でもあると思います。しかし、フランチャイズ化されている外食産業の場面では、利益保障的な意味で固定で契約の必要もあるだろうし・・・と、頭の中がいろんなことがぐじゃぐじゃしている現状です。
私見を長々と述べてしまいました。
またお邪魔します。今後ともどうもよろしくお願いいたします。
投稿情報: stutiyi | 2005年8 月30日 (火) 22:56
stutiyiさん ご訪問&コメント有り難うございます。
様々な規制によって擁護されてきた農業という産業に対して規制緩和という大きな波がやってきたように感じます。
これからの農業の将来をイメージしたときに、今以上に産業界に野ざらしになりなるのではないかと思います。このことに対して僕はある意味必然の流れなのかもしれないと感じています。
日本の農業に競争力と収益力を身につけさせていくには業務のリエンジニアリングが必要になってくると思います。その実現には慣習や因習と向き合いながら一つ一つクリアしていかなければなりません。世代が変わってから考えれば...って時間的余裕もないと思います。
立場は違いますが、こんな話をできることに職業人としての喜びを感じます。
どうか今後とも宜しくお願いします。
投稿情報: VEGE-MASTER | 2005年8 月31日 (水) 09:19