昨日、KGIBAのご学友であるあまやんからのご紹介で神戸大大学院の博士課程で経営学の研究をされているH氏から、卸売市場を取り巻く様々な問題についてインタビューを受けました。H氏は「卸売市場制度生成に関する理論的接近」や「農産物の規格・基準を巡る公的政策」といったテーマの論文を既に上梓されています。
・業務の実態の変遷について
・卸売市場法改正の影響
・現在の取引方式(産地との取引や、市場内のせり、相対など)のメリットとデメリット
といったテーマに沿って約2時間ほどいろんな話をさせていただきました。幾分脱線する部分が多かったようには思うのですが、改めてこうしたテーマで自分の考え方をお話しさせていただく機会を得て、自分がこうした問題に対して考えていることをきちんと整理することができたのは非常に有り難かったと感じました。
卸売市場法改正の影響はといえば僕たちの業態カテゴリーである仲卸業者にとっては規制緩和の波がついにやってきたと解釈されることが多いように感じます。従来から保護された環境下でビジネスを行ってきて、業界全体が茹でガエル状態になってきていた部分もあるので、尋常ではない打撃を受けていると言えなくはありません。
僕たちの商流上の川上にあたる荷受業者も今後更なるビジネスの垂直展開、外部参入者の脅威など列挙していけばきりがない負の要因が考えられます。しかし、こうした問題は僕たちの業界から一歩外に出ると、世の中では当たり前に起こっていることばかりなんですよ。ビジネスの基本中の基本に立ち返って、「何故自社がお客様から選んでいただけるのか?」という、当たり前すぎる疑問を徹底的に考えることが必要になってきます。
そうした中で「卸売市場法改正の影響」って何?って考えると自らのビジネスが規制緩和の波にさらされても、存在を許されるかという試金石なんだと感じるのでした。
この問題に関しては、机上論ばかり聞いているので、
現場の声がどのくらい反映されているのか非常に
興味深いです。
法律で守られていた(=規制されていた)ことから
解放されることで生産者にも消費者にも
そして、現場の皆さんにもメリットがあるもの
になるのかどうか期待と不安が半々です。
私にも色々、教えてください!
投稿情報: VS | 2006年12 月29日 (金) 18:29
先日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
どのお話も、書物や論文などでは知ることのできない貴重なお話ばかりでした。特に、規制緩和やそれに関係する仲卸業者の事業環境の変化について、「確かに危機でもあるが、それは大きなチャンスでもある」と、力強く答えられたことが、私にとって印象的でした。また、是非とも、これからの青果物のビジネスへの挑戦についてご教授頂けましたらと存じます。
どうか、今後とも、ご指導・ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。
投稿情報: H | 2006年12 月30日 (土) 01:19
VSさん
コメント有り難うございます。
実際こうした形でインタビューを受けると普段は何気に考えていることもとても整理されます。
現実としてどんな影響が出てくるのか? それはそれぞれの企業によって現れ方は様々でしょう。でも間違いなく言えることは従来と同じ考え方、行動をしていると明るい将来はないということでしょうね。更に努力を続けて行くのみですね。
投稿情報: VEGE-MASTER | 2006年12 月31日 (日) 11:11
Hさん
コメント有り難うございます。
先日はわざわざ来社いただき有り難うございました。業界全体でとらえてもまだまだ旧態依然としたところが多く残っています。もっと私たちが生産性の高いビジネスができるようなアドバイスを今後とも頂ければ幸いです。
投稿情報: VEGE-MASTER | 2006年12 月31日 (日) 11:14
いろいろお世話になったみたいでありがとうございます。H氏とは同志社大学のおみやげ商品研究会でお近づきになりましていろいろ御教唆いただいてます。卸売市場法の改正というのはそんなに大きな問題だったんですね。あまやんも勤務先が大阪の卸売市場の近くなんで、大阪の方は時々出入りしてますが、素人には敷居が少し高いですね。でもそういう所が卸売市場の魅力だと思います。
投稿情報: あまやん | 2007年1 月 7日 (日) 19:10
あまやん
コメント有り難うございます。
H氏の真摯さには心を打たれました。僕も随分勉強になりました。規制緩和は僕たちの業界には強いインパクトを与えるに違いありません。それをどのように解釈するかはそれぞれの当事者の考え方次第かと思います。自分的には常に前向き前向きなんですが。
投稿情報: VEGE-MASTER | 2007年1 月10日 (水) 15:34