修士論文の作成にかかっているときにオヤジ・カンパニー殿のブログの記事を見て思わず手が止まりました。僕の研究課題もエージェンシー問題のことに関する部分があって、企業の分社化の要因の一つにエージェンシー問題が関わっているという点です。
エージェンシー問題とは...
「利害が一致しないとエージェンシー (代理人。仕事を引き受ける人。) はプリンシパル (依頼人。仕事を依頼する人。) が望んだように行動しない。受託者のプロセスが不明確な場合、または委託者が受託者を監視するコストが負担できない場合など情報が非対称な状況でエージェンシーコストが発生する」 Hatenaより引用
なんですが、もう少し具体的に例を挙げると、経営者と債権者の関係において、経営者は自分のインセンティブを高めるためにボラティリティの高い経営施策を取ろうとします。しかしながら債権者の立場からするとボラティリティの高い経営施策は自らの債権のリスク増大につながり利益相反(エージェンシー・コスト)が起こります。こうした問題は経営者と債権者、株主と経営者などいろんな関係ににおいて発生します。
オヤジ・カンパニー殿の記事では株主と経営者の問題に言及されていましたが、これはコーポレート・ガバナンスの問題でもあり、突き詰めれば「会社は誰のもの?」という問題でもあります。なかなか結論には行き着かない難しい問題でもありますが、経営も常に外部からモニターされているものであり、成り行きや勘に頼るような経営判断や自らのインセンティブを高めるだけの経営施策は決して許されないということが言えると思います。僕たちの会社のような零細企業では外部からモニターされる機会というのが非常に限定的で、どうしてもそうした部分が曖昧になってしまいがちです。常に気持ちを引き締め、襟を正して取り組んで行かなくてはいけません。